「DTMはやめとけ」「DTM作曲をなめるな」「DTMは難しい」といった意見を聞いたことがある方は多いでしょう。これからDTMを始めようか迷っている人にとっては不安になる意見ですよね。
機材も高そうだし、音楽の知識もない。独学で続けられるのか心配になるといった声もよく聞きます。
結論から言うと、「DTMはやめとけ」と思うことは私自身ありません。
正しい始め方と考え方を知っていれば、初心者でも十分に音楽を作れるようになります。
なぜそう言えるのかというと、筆者である私自身がまさに「DTMはやめとけ」と言われながらも続け、今では現役のボカロPとして活動できているからです。
何度も挫折を経験しましたが、その中で「DTMを続けられる人・挫折する人の違い」を実感してきました。
この記事では、
- 「DTMはやめとけ」と言われる本当の理由
- 初心者が挫折しないための始め方
- 続けるためのコツと考え方
を実体験をもとにわかりやすく解説します。
「DTMを始めたいけど失敗したくない」という不安を、この記事でスッキリ解消していきましょう。
目次
DTMはやめとけといわれる本当の理由
DTMはやめとけといわれるのにはいくつか理由があります。以下でその理由を紹介します。
DTMは挫折率が高いから
DTMは学び始めてから習熟するまでのハードルが高いため挫折率が高いです。具体的には、以下のような点で初心者はつまずきやすいです。
- DAWの操作方法
- 音楽理論
- 楽器音源の扱い方、各楽器の特徴や立ち位置の理解
- ミキシング・マスタリングの理解
また、勉強をして曲を作っても自分の納得のいくものができるのか、大勢の人に聴いてもらえるのかという壁が立ちはだかり、こちらも挫折の一つになり得ます。
DTMは音楽経験なしの人には理解に時間がかかるから
上述の通り、音楽理論や各楽器の扱い方等には、膨大な専門用語の理解と知識量が必要になります。
一朝一夕で理解できるようなものではなく、とてつもない時間と労力がかかります。音楽経験なしの方にとっては理解できるまで努力が必要になるでしょう。
社会人の趣味としてDTMをするにはハードルが高いから
社会人の方で、仕事の傍らDTMを始めようと考えている人も多いかと思います。しかし、上記の通り仕事や家庭の責任の傍らで趣味として始めるには、時間と労力がかかりすぎるためこれも「やめとけ」といわれる所以でしょう。
機材やソフトへの費用負担が大きいこともあるため、生活費を考慮したり、他の趣味もある方にとっては辛いものがあるでしょう。
DTM作曲をなめるなといわれるのはなぜ?
これまでの記載通り、DTMによる作曲には継続して勉強をすることと、アイデア・創造性、資金が必要になります。
他の趣味に比べると随所に挫折しやすいポイントが多くあり、副業・お金を稼ぐためにするにはコストパフォーマンスがとても悪いと考えられます。
このような中でDTMを続けるモチベーションを保ち続けることも難しく、気軽に始めようとする考えに対して「なめるな」という意見がでてくるのでしょう。
「DTMはやめとけ」に負けない初心者が挫折しないための始め方
初心者の方が挫折をできるだけ回避するための始め方を解説します。大事なのは継続をすること。毎日の積み重ねによる習慣化が重要になります。その最初の手助けになる内容を紹介します。
DTMを手軽に始めるための最低限の機材選び
DTMを始めるときは、最初から高い機材を揃える必要はありません。むしろ、最低限の環境から始めた方が長続きすることもあります。
理由はシンプルで、最初のうちは「音の違い」が分からないからです。高価なマイクやオーディオインターフェースを買っても、使いこなせずに「宝の持ち腐れ」になってしまうことが多いです。
現在は無料のDAWソフトも用意されているため、そういったものから始めるのが理想的でしょう。
- 最初は「音を作る」より「曲を完成させる」を目標にする
- 不足を感じたら少しずつ買い足す
- 「有名ボカロPが使っている機材」より「自分が扱える機材」を優先する
こうした工夫をすることで費用の壁を越えられるでしょう。以下の記事では無料のおすすめのDAWも紹介しているため、気になる方は参考にしてください。
DTMの挫折を防ぐために習慣化する
DTMの挫折を防ぐためには「習慣化」することが大切になります。才能よりも続ける仕組みが重要で、これが挫折を乗り越えるカギになります。
人は「やる気」ではなく「仕組み」で動きます。どんなにモチベーションが高くても波があるのが人間です。そのため、毎日無理なく続けられるルールを作る必要があります。具体的な習慣化ルール例は以下です。
- 毎日15分だけDTMに触れる
- 「今日やること」を1つだけ決めてみる(例:「ベース打ち込み」など)
- どうしてもやる気が出ない日は好きな曲を分析する
完璧を求めず、「少しでも続けること」を優先することが大事です。
DTMはやめとけといわれても続けるためのコツと考え方
短期目標を立てる
DTMを続けるためには、「短期目標」を明確にすることがコツの一つです。人のモチベーションは「ゴールが遠い」と感じた瞬間に下がるからです。
DTMは特に成果が見えにくい分野なので、短期的な達成感を意識して作業を進めると良いでしょう。具体的な短期目標の立て方は以下の通りです。
- 1日で1小節だけ作る
- 1週間でドラムとベースを完成させる
- 1か月で1曲を形にする
こうして期間を区切ることで「自分は前に進んでいる」と実感できます。
私もかつて、明確な目標を持たずに何となく触っていた時期がありました。結果、何か月経っても曲が完成せず、「DTMやめとけばよかったかなあ」と感じた時期がありました。
効率的なインプット法
DTMを学ぶときは、闇雲に情報を詰め込まず「目的別」に学ぶことが重要です。これを意識するだけで、学習効率が大きく変わります。
DTMは知識量よりも「実践と結びついた理解」が大切です。YouTubeやSNSで情報を探すと無数のテクニックが出てきますが、それを全部覚えようとすると挫折します。効率的なインプット法は以下の3つです。
- 実際に自分の曲で試す(例:「EQを入れたら音がどう変わるか」)
- 1テーマずつ集中学習(例:「今日はコード進行だけ学ぶ」)
- 初心者向け動画・書籍を繰り返し観る(理解を深める)
学んだことはすぐ試すことや、1回で覚えようとしないこと、必要な時に必要な知識だけ取り入れることを意識するのがおすすめです。
DTMやめとけに対抗できる「モチベ維持法」
DTMを継続する最大の秘訣は、「1人で完結しようとしないこと」です。人は孤独だと挫折しやすく、仲間と関わるだけで意欲が何倍にもなるでしょう。
- SNSで制作進捗を発信する
- 同じ趣味の人と交流する(DiscordやXなど)
- 月に1回、自分の曲を公開する(小さな成功体験を積む)
上記のようにSNS等で同じような活動者と交流することで、反応が身近にもらえたり、自然と続けられる理由ができるでしょう。
まとめ┃DTMは挫折を繰り返して上達する
ここまで挫折を回避するコツ等を記載しましたが、冒頭の記載通り私自身挫折を幾度も繰り返しています。特に音楽理論やコード理論には何度も心が折れました。
ただ、私はやはり音楽を作ることが好きだったので、何度挫折をして離れる期間があっても、また勉強と作曲を繰り返しやっていました。
そうすることで、ある日「点と点が線で繋がる」ような感覚があったのです。そこまでは膨大な時間がかかりましたが、その繰り返しがあったからこそ今曲を作り続けられているといえます。
「DTMやめとけ」という意見に惑わされなかったのは、「曲を作りたい!」という気持ちが何よりもあるからだと私は考えます。
参考 DTM初心者講座
