作詞に正解はありません。自分の書きたいもの、日頃感じていること等をつづっていくのが作詞です。とはいえ、それが第三者が魅力的に感じる・感動する歌詞に当てはまるのかは別の話です。
この記事では作詞の基本知識から、実践的な手順・コツ、やってはいけないことまで解説しています。また、現役のボカロPである私が普段意識していることや、書きたいことをどのように膨らませて魅力的に聴こえる歌詞にしているのかも解説します。
この記事を読むことで、誰でもエモい歌詞・自分だけの歌詞を自信を持って書けるようになることを目指しているのでぜひ参考にしてください。
目次
作詞のやり方|基本的な流れと歌詞の書き方
作詞は流れを意識して段階的に進めることで、伝わりやすい歌詞が生まれます。ここでは、初心者でも迷わずに書けるように、作詞の基本的な流れを6つのステップで解説します。
- テーマ・キーワードを決める
- ストーリーを簡単にまとめる
- テーマに沿った言葉を思いつく限り書き出す
- 各パートごとに内容を箇条書き
- 書き出した言葉を各パートに当てはめて歌詞にする
- 全体を見直して修正
以下でそれぞれ詳しく解説します。
テーマ・キーワードを決める
作詞のやり方で最初に大切なのは、テーマを決めることです。
テーマとは「この歌で何を伝えたいのか」という中心となる考えです。たとえば「別れ」「夢」「友情」「季節の移り変わり」など、具体的であるほど書きやすくなります。
次に、テーマに関連するキーワードを考えましょう。たとえばテーマが「別れ」なら、次のような言葉が思い浮かびます。
- 涙
- 思い出
- 時間
- サヨナラ
- 戻れない
ここでのキーワードは歌詞で重要になるワードとして、少しだけ書き出せば大丈夫です。
ストーリーを簡単にまとめる
テーマが決まったら、次はストーリーを考える段階です。
どんな順番で感情が動くのか、どんな出来事が起こるのかを簡単にまとめてみましょう。
たとえば「片思い」をテーマにした場合、以下のような流れを考えます。
- 相手を好きになる
- 話しかけられずに悩む
- 手紙を書こうと決意する
- 想いを伝えるが届かない
このように物語をざっくり整理しておくと、歌詞全体に一貫した感情の流れが生まれます。
作詞は詩ですが、小さな物語を作る感覚で書くのがコツです。
文章でまとめる場合は起承転結を意識すると良いでしょう。これにより、聴く人が情景をイメージしやすくなるのです。
テーマに沿った言葉を思いつく限り書き出す
次に行うのは、言葉をたくさん出す作業です。
思いつくままに、テーマに合いそうな単語やフレーズを書き出してください。
この段階ではうまく整える必要はありません。とにかく「量」を出すことが大切です。
たとえばテーマが「夢」なら、次のような言葉が挙げられます。
- 夜明け
- 星
- 希望
- あの日の約束
- 未来
このようにたくさんの言葉を出すことで、感情や情景を具体化できる素材が増えます。また、辞書やネットの類語検索を活用するのもおすすめです。たとえば「悲しい 類語」と検索すると、「切ない」「苦しい」「寂しい」など表現の幅が広がります。
各パートごとに内容を箇条書き
次に曲の構成(パート)ごとに内容を整理することが重要です。 一般的な構成は以下の通りです。
- Aメロ:状況説明や心情の導入
- Bメロ:感情が高まる部分
- サビ:伝えたいメッセージの核心
- 間奏・Cメロ:少し視点を変える場面
たとえば「夢をあきらめない歌」なら、次のように整理できます。
- Aメロ:うまくいかず落ち込む自分
- Bメロ:それでも前に進もうと決意
- サビ:絶対に夢を叶えると誓う
このように箇条書きにすることで、全体の流れを見渡しやすくなります。
歌詞を書く前に整理しておくことで、「何を伝えたいのか」を見失わずに済みます。
書き出した言葉を各パートに当てはめて歌詞にする
いよいよ、作詞のやり方の中でも最も創造的なステップです。
これまでに出した言葉やイメージ・ストーリーに沿って、各パートに当てはめて文章にしていきます。
たとえば、Aメロでは「朝焼け」「涙」「昨日の後悔」といった言葉を使い、
Bメロでは「歩き出す」「前を向く」、サビでは「夢」「光」「未来」などの明るい言葉を入れると、感情の流れが自然になります。
ここで大切なのは、語感のリズムと歌いやすさです。
実際に声に出してみて、「言いにくい」「長すぎる」と感じたら、短く直しましょう。
プロの作詞家も必ず声に出してチェックしています。
韻(いん)を踏むのも効果的です。韻を踏むことで音ノリが良くなり、耳に残る歌詞になります。
全体を見直して修正
最後に、書き上げた歌詞を全体的に見直すことが大切です。
完成直後は気づかないミスや違和感があるため、少し時間を置いて読み返すと良いでしょう。
見直しのポイントは次の通りです。
- テーマが一貫しているか
- 同じ言葉を繰り返しすぎていないか
- リズムが自然か
- 感情の流れが途切れていないか
また、他の人に読んでもらうのもおすすめです。客観的な意見を聞くことで、自分では気づけなかった改善点が見えてきます。
エモい歌詞の書き方・コツ
エモい歌詞について、ここでは喜びや感動、悲しみや感傷などの感情、センチメンタルな気分になる歌詞のこととして書き方を説明します。
比喩を使った表現技法
エモい歌詞を書く方法の代表が比喩表現です。歌詞の中で秀逸な比喩表現があると、その部分を中心に様々な憶測が生まれ、聴く人によって複雑な感情を与えます。
特に日本人はシンプル・ストレートな言葉だけで構成される歌詞よりも隠された表現を好むので、エモーショナルに感じる方が多いです。
実際の歌詞を例に言うと、adoさんの『ギラギラ』という楽曲に表れる「私の顔はそう神様が左手で描いたみたい」という歌詞。強烈な表現ですよね。楽曲の主人公のビジュアルに対する価値観を唯一無二の世界観で表現した秀逸な比喩になっています。
独特な比喩表現は聴き手の頭に残りやすく、考察の余地を与え複雑な感情を呼び起こします。ぜひ作詞に取り入れてみてください。
沢山の創作物や日常で生まれる感情に触れて深掘りする
日常の出来事や音楽、映画、小説、ニュース、SNSなどに触れて、様々なところから得た感情を深堀りすることはエモい歌詞を書くために必要なことです。
また、普段から気になった言葉やフレーズをメモしておくと、いざ作詞する時に役立ちます。連想ゲームのように一つの言葉からイメージを広げていくことで、独自性のある歌詞が生まれやすくなります。
- 日常の気づきをメモする
- 音楽、映画や本からインスピレーションを得る
- 連想ゲームで言葉を広げる
- 自分の体験や感情を深掘りする
他にも歌詞がエモくなるコツやテクニックは以下で解説しているため、ぜひ参考にしてください。
作詞でやってはいけないことは?
作詞でやってはいけないことは、基本的に無いと思ってもらって大丈夫です。なぜなら創作は自身から生まれる唯一無二のものだからです。
ただ、大勢の人に感動してもらう歌詞を書きたいのであれば、以下のポイントはやってはいけないこととして念頭に置くことをおすすめします。
- テーマが曖昧なまま作詞をする
- 同じ言葉を繰り返しすぎる
- 他の曲に似すぎた言い回し
他にも詳細な解説は以下の記事で解説しているため、気になる方はぜひ参考にしてください。
まとめ
作詞は誰でも始められるクリエイティブな表現方法です。基本知識や手順を押さえ、練習や工夫を重ねることで、誰でもエモい歌詞が書けるようになります。
自分だけのスタイルを見つけ、音楽を通じて多くの人にメッセージを届けましょう。
この記事が、あなたの作詞活動の一助となれば幸いです。

